
ローコスト住宅というフレーズを聞いたことがありますか?
その名の通り、通常の住宅よりもかなり安い値段で販売されている住宅のことを指します。
アパートで暮らしていると、毎週のように住宅情報のチラシが入ったりしますよね。
このチラシを出している会社さんは、大体ローコストメーカーであるケースが多い印象です。
最近、地元のローコストメーカーでは夏フェスという名目でイベントを開催していました。
来場特典が魅力的だったので、興味本位でイベントに参加してきました。
その記録をここに綴ります。
ちゃんと営業の方にもしっかりお話を聞いてきましたので、これからローコスト住宅を検討されている方はぜひ参考にしてください。
ローコスト住宅の質を見極める

今回の見学で、私が営業さんに聞きたかったことを大きくまとめると
- メーカーの特徴
- 防災性能
- 保証期間
- メンテナンスコスト
この辺りを話題に出そうと考えていました。
そして、ローコスト住宅が値段に見合う住宅なのかを見極めようという算段でイベントに参加してきました。
結論から申し上げますと、ほとんど聞き出せませんでした。
というか、受け答えが曖昧な表現ばかりで流されてしまったという印象です。
私が聞きたい内容で言うと、メーカーの特徴や保証期間については聞き出せたかな。笑
それは、そのメーカーだけでなくローコストメーカーに多い特徴でもあると感じました。
特徴は2つ。
- 住宅価格が安いこと
- ローンが通りやすいこと
まずはこの2つの特徴について見ていきましょう。
ローコスト住宅の価格
今回訪れたメーカーさんの主力商品は規格設計住宅。
規格設計住宅とは、完全自由設計ではなく、ある程度の間取りや外観デザイン、内装や設備に至るまで、既に決められている条件を組み合わせて住宅を完成させていく仕様を言います。
【子育てママの声を集めた規格設計住宅】
というのが、一番の売れ筋だそうです。
その価格帯がこちら。
- 30坪 1150万
- 35坪 1250万
これだけで見るとめっちゃ安いですね。
これは建物だけの価格であり、これに土地代と各種手続き費用や工事費が乗っかってくるわけです。
30坪で計算して頂いたのですが、総費用が約2600万円。
月々の支払いが変動金利で約68,000円という結果です。
あれ、あんまり安くない気がしてきた。
ローンが通りやすい
ここはちょっとした驚きでした。
- 他のメーカーで厳しいと言われた人
- 年収が低い人
- 勤続年数1年未満の人
などなど、本来であればローン審査が難しそうな人でも借り入れができてしまうのだそうです。
これに関しては一長一短あると思います。
ローン審査が厳しいということは、返済能力が未熟であるということ。
実際にローンが始まってから、返済地獄に足を突っ込んでしまうのではないかという考え方もあると思います。
逆に、マイホームが夢であり、年収が低くてもどうしてもマイホームが欲しい。
マイホームのためなら節約も惜しまない人たちからしたら救いの手と言えるでしょう。
ローコスト住宅の性能
まずは、案内されたモデルハウスの状況から振り返っていきます。
モデルハウスは築1年の新築でした。
やはり、モデルハウスだけあって標準仕様は少なかったです。
床材は無垢を使用しており、壁はクロスではなく塗壁。
キッチンなどのグレードもオプション品で揃えており、THEモデルハウスって感じの仕様でした。
当日は最高気温が35℃を超えており非常に暑かったのですが、家の中は涼しく快適。
営業さんは、
「断熱がしっかりしているから快適なんです」
と仰っていましたが、私は見てしまったのです。
エアコンの温度設定が23℃になっていたことを。
しかもエアコン3台も稼働していたことを。
そこは、触れることなく大人な対応でやり過ごしました。
そして、私が気になったのがこちら。


赤丸で囲った部分を、拡大でもしていただければ見やすいかと思います。
壁が割れているんです。
営業さんの目もあったので、ちょっとわかりにくい写真になってしまいましたが、壁と天井のつなぎ目部分はガッツリ割れて隙間が見えているほどでした。
これで築1年はちょっとビックリしましたね。
ましてや、モデルハウスでしょう。
いろんなお客さんに良い印象を持ってもらうために気合い入れて建ててるはずです。
それが1年でこの有様とは、検討材料であると感じました。
また、話の中で耐震性能について伺うことが出来ました。
「国が定める耐震基準よりも少し上の要件を満たしている」
とのこと。
現行の耐震基準とは、
「震度7程度の大規模地震を受けても倒壊や崩壊を起こさないもの」
というように定められています。
震度7で崩れなければいいというのが国の基準です。
これって結構基準が低いと思いませんか?
家中の柱が歪んでも、ヒビ入っても、家としてのカタチを保っていればOKということですよね。
ちなみに熊本の震災では、28時間以内に震度7が2回来ています。
1回耐えた住宅でも2回目で倒壊したものがほとんど。
しかし、これは耐震基準に違反していないのです。
国の基準は、2回目までを想定していないのです。
ここがローコスト住宅の怖いところです。
多くのローコストメーカーが、国の基準よりも上なので安心ですよと言いますが、そもそも国の基準自体が低いので、これを参考にしないほうが良いでしょう。
実際に展示場で話を聞く場合には、
- 震度7に何回耐えられるのか
- その後のメンテナンス費用はいくらかかるのか
などといった具体的な質問をして、具体的な答えを貰ったほうが良いです。
私の場合のように、曖昧な返答をするメーカーさんは対象外にしたほうが安心です。
ローコスト住宅の保証期間
私が訪ねたローコストメーカーの保証期間は10年でした。
その間2年ごとくらいに定期メンテナンスを施してくれるといった内容。
そして引き渡しから10年を迎えたとき、有償メンテナンスを行うことによって、さらに10年間の保証期間が延長されます。
つまり、合計20年!
20年後、あなたの年齢はいくつですか?
まだまだ先は長いんじゃないでしょうか。
20年以降を保証なしで生活していくというのはいささかリスキーだと思いませんか?
大手ハウスメーカーでは、メンテナンス保証期間は60年が当たり前です。
保証期間というのはその言葉通り、メーカーが商品に対して安心を提供できる期間ということです。
その期間中に不具合を起こすことはほとんど無いけど、万が一不具合があったら無料で直しますよ!っていう期間です。
つまり、60年保証を謳っているメーカーの建造物は、60年間異常が起こりにくいということ。
20年保証を謳っているメーカーは20年間異常が起こりにくいということですよね。
ちょっと20年じゃ短いかなって感じます。
ローコスト住宅という選択肢
さて、ここまでの内容を踏まえてローコスト住宅を選択肢に入れるかどうか。
私の考えでは、他の選択肢があるのなら選ばない方が良いと思います。
理由は、
- ローコストと言っても2000万以上はかかる
- 住宅性能が低い
- 長く住むならメンテコストがかなりかかる
- 結局、トータルコストは高くなる
- 一生は住めない
ローコスト住宅で35年ローンを組み、月々の返済が6~7万だとしても、35年も耐久性があるようには到底思えません。
営業さんも、モデルハウスは20年で取り壊すと言ってましたし。
老朽化した住宅を見せたくないのかもしれませんね。
大手メーカーでは逆に25年前の住宅などをモデルハウスにしているところもあります。
構造体の強さを見てもらいたいから壊さずにモデルハウスにしているとのことでした。
ただ、ローコスト住宅を選択肢に入れるべき人もいると思います。
- すぐにでもマイホームが欲しい人
- 他ではローンが組めない人
- 家を建て替える財力がある人
転職したばかりや年収が低いなどでローンが組めない、だけど今すぐにマイホームが欲しいって人は選択肢に入れるべきでしょう。
欲しいのを我慢するのも良くありませんからね。
そして一生住むつもりが無い人は、ローコスト住宅は良い選択肢だと思います。
普通の家を建てればかなり安く抑えられますし、ちょっと上乗せすれば豪邸を作る事も可能です。
そして20年後に取り壊せば、その時代のトレンドに合わせて建て替えるということも可能になってきます。
考え方次第では、安い費用で新築を複数回味わえるというメリットになるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ローコスト住宅がどんな住宅なのか、少しでも伝わったなら幸いです。
ローコスト住宅を一生の城として認識するのはかなり危険です。
ローコスト住宅の購入を検討されている方は、その後に掛かるコストまでを視野に入れて購入を検討してみてください。
皆さんがステキなマイホームを手に入れられますよう、願っています。
下記の記事では、ローコスト住宅がなぜ安いのかをまとめています。
よろしければご一読ください。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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