
スラロームが怖い人
バイク教習でスラロームが怖くてやりたくないです。でもバイク免許は欲しいから、恐怖心を克服する方法があれば教えてください!
そんな悩みにお答えします。
この記事を書いているぼくは、現役の教習所教官です。
今までに1,000名以上の生徒さんを担当しており、生徒さんのなかにはスラロームを4秒台で通れるまでに成長を手助けした実績があります。
ちなみに4秒台を叩き出した生徒さんは、なんと女性!
その方も最初は、尋常じゃないくらいスラロームを怖がっていました。
もちろん通過しきるなんて論外。
そんな方でも教習所を卒業するころには、スラローム4秒台を叩き出せるようになったのです!
この記事には、あなたが「スラロームを楽しめるコツ」が書いてあります。
ぜひ、最後までお付き合いください。
バイクのスラロームが怖いと感じる理由
スラロームが怖いと感じる理由はわりとシンプルです。
- 目線が近すぎ
- 運転姿勢がわるい
- スピードが遅すぎ
これらになりますね。
じつは、教習所ごとに練習カリキュラムはバラバラ。
「スラロームが怖いから通れない」と感じるってことは、上記の3つの基本が身に付いていない状態で教習がどんどん進んでしまったのかもしれませんね。
ぶっちゃけ目線を意識するだけでも、スラロームに対する恐怖心はかなり和らぎますよ!
スラロームが怖いのは”目線”が近すぎるから

「目線が近い」っていうのは、上の画像でいうと赤い点の部分を見ているということ。
つまり、「いま避けるべきパイロンを見ながら避けている」ってことになりますね。
- いま避けるパイロン見ている
- 避け終わるころに次のパイロンを見る
- 見てから避けるまでの対処する時間がない
- 間にあわないからスピードを落としてしまう
- スピードを落とすからバランスを崩してしまう
- バランスを崩して転ぶことで”恐怖心”が生まれる
目線が近いってだけで、このような負のスパイラルにハマってしまうんです。
転ぶことへの恐怖心によって、ついつい目線が近くなっちゃうんですよね。
ちなみに、スラロームが上手な人でも「卒業検定にかぎってパイロンにぶつけてしまう」ことがあります。それも「目線が近い」ってことが原因ですね。
「ぶつけたら失格」っていう意識が強くなると、ぶつけないようにパイロンをガン見しちゃうみたい。
目線が近いほうが逆にぶつかっちゃうからね!!
目線を先に向ければ「余裕」が生まれます
目線を先に向けておくことで、「次に避けるパイロン」まで把握することができます。
- 次のパイロンを避ける走行ラインが見える
- 次のパイロンとの間隔に余裕がもてる
- スピードを上げても対処が間に合う
- スラロームのタイムが縮まる
こんな具合に、目線を先に向けるだけで良い影響を実感できますよ!
今までのスピードならかなり余裕になります。
スピードを上げればクリアタイムも狙えるでしょう!
ぼくのオススメは、スタート時から「3つ目のパイロンをみる」です!
3つ目のパイロンを避けるときにはゴールをみておけばOK!
目線の移動が1回だけだからすっごいラクですよ。
運転姿勢が悪いとスラローム以外も怖いと感じます
「運転姿勢」に気をくばっていますか?
「スラロームが怖い」っていう人ほど、ただバイクに座っているだけの状態になっています。
まるでイスに座っているかのように、下半身が超絶リラックスモードになっていませんか?
バイク操作の基本姿勢である「ニーグリップ」を取り入れましょう
ニーグリップってのは、「ひざでタンクをはさむ」運転姿勢のこと。
「人の重心」と「バイクの重心」を一体化させるために、とっても大事な運転姿勢です。
重心がバラバラだと、バランスを崩しやすいですからね!
ニーグリップができていないと、そもそもバイクを傾けることができません。
- バイクが傾けられない
- 直線的な動きでパイロンに突っ込む
- 転倒したりして”恐怖心”が生まれる
こんな具合になり、対処しないとさらに悪化します。
- バイクを傾けるのが怖い
- ハンドルで避けようとする
- スピードが全然出せなくなる
- ふらついて転倒 ⇒ ”恐怖心”が生まれる
バイクを傾けてもバランスがとれるころには、恐怖心はほとんど無くなっているはず!
✔とってもかんたん!ニーグリップのやりかた
足のつま先を「ハの字」にするだけ!ひざに力を入れなくても、自然にタンクをはさむことができますよ!
スラロームが怖いから「スピードを落とす」は大まちがい
急発進が怖いからゆっくり…
急ブレーキで転びたくないからゆっくり…
転ぶのが怖いから、ゆっくり走ろうとする人はめっちゃ多いですね。
しかしこれは大きなカン違いです。
バイクは「スピードを出しているほうが安定する乗り物」です。
自転車の「手放し運転」だって、スピードが出ていないとできませんよね。
まえに進もうとする「推進力」によって、ふらつかない運転ができるってこと。
教習中に「スピードを出して転ぶ」ことはほとんどありません
バイクの教習で、生徒さんがよく転ぶ瞬間は、たいてい発進するときや停止するときばかりです。
いわゆる「立ちごけ」ってヤツ。
慎重な発進・停止を心掛けているのは、悪いことではありません。
しかし、慎重なのはクラッチ操作だけで十分です。
「スピードまで慎重にするのは逆効果」であるということを肝に銘じておきましょう。
「スラロームが怖い」を克服するための方法
とにかく…
基礎練習!!
これを徹底的にやりましょ。
ジューゴ式基礎練習をやれば、30分でスラロームが通れるようになるでしょう。
「怖い」をなくす練習法は「発進と停止」です
スラロームの練習じゃないんかいッッ!!
と言いたくなるのはわかります。
- おそるおそる発進
- ふらふらしながら停止
こんな状態でスラロームがスラスラ通れると思っているなら…
30分はやいわ!!
と言いたいくらいです。笑
でも、安心してください。
30分でOKですから。笑
バイクの恐怖心を無くすためには、「自分はバイクをコントロールできる」という自信を持つことが大切です。
生徒さんに自信をつけてもらうために、ぼくがよくやる練習法が「発進・停止のリピート練習」です。
✔発進練習で意識すべき3つのポイント
- 目線は行き先
- 運転姿勢(ニーグリップ)
- 半クラッチ+アクセルの組み合わせ
これをとにかくクセ付けたいんです。
そのための練習メニューがこちら。
- 発進に時間をかけない
- かならずアクセルを使って発進
- 半クラッチをはなす前に2速にいれる
- 教官が「止まって」と言ったらすぐ止まる
- 止まるまえに1速に落として左足で着地する
- 完全停止したらすぐ発進【時間をかけないほど良い】
この手順をひたすら繰り返していきます。
たったこれだけで、10レベルくらいアップします。
「エンスト」や「ふらつき」も少なくなるので、自信アップにもつながりますよ!
- 時間をかけずに発進することで、半クラッチの精度が上がる
- アクセルを使った発進をすることで、発進時のふらつきが無くなる
- ギアチェンジを積極的に使っていくことで、暴走やエンストが激減する
- 教官の「止まれ」の合図ですぐに止まることで、ブレーキ調節が身に付く
さきほども言いましたが、教習でお客さんが転ぶときって、だいたい発進・停止のタイミングなんです。
つまり、発進・停止時に「転ぶ」を経験し、「転ぶのは怖い」という恐怖心が植え付けられてしまうわけです。
逆に考えると、いちばん転びやすい発進・停止の操作をマスターしちゃえば、「怖い」と感じるどころか自信がつくということ。
発進・停止の操作は、バイク操作のすべての基本!
この基本をしっかりと身に付けられるように、まずはがんばってみてください!
スラロームの練習はそのあとで大丈夫です!
というわけで以上です。
バイクの運転にはケガのリスクが伴うので、無茶な練習はしないようにしてくださいね。
基礎が身に付いて、スラロームをさらに極めたくなったら、こちらの記事を参考にどうぞ!