まだまだ梅雨が明けず、雨が続いていますね。
街中では、傘をさしたまま自転車を運転している人をよく見かけます。
でも自転車の傘さし運転は交通違反です。
おそらく、傘さし運転をしている本人もそのことは自覚していると思います。
では、なぜ違反だと知りつつも傘さし運転をしてしまうのか。
傘さし運転に限ったことではありません。
なぜ人はダメだと分かっているのに、あえてそれを行うのか。
今回の記事では、そういった人の行動原理について詳しく解説していきます。
リスクテイキング
危険だと知りながらもわざわざそれを行ってしまうことを
危険敢行性(リスクテイキング)
なんて言ったりします。
リスクテイキングは、人間に備わっている性質でこれを無くすことはできません。
ただ、理性で抑え込むことは可能です。
リスクテイキングをしてしまう要因は3つあります。
- リスクに対する自己評価
- リスク効用
- ベネフィット
ひとつずつ解説していきます。
リスクに対する自己評価
そのままです。リスクに対する自己評価が甘いから危険を冒してしまうのです。
傘さし運転がやっちゃダメなこととは知っているけど、自分はそれを危険だと思っていない。
他にもいろいろ…。
- 歩きスマホ
- 未成年者の飲酒・喫煙
- 運転中の速度オーバー
- シートベルト未着用
- 信号無視
- 煽り運転
- スマホ運転
- 飲酒運転
etc…
自分が本当の意味で危険を理解しない限り、周りが抑えつけてもその人が変わることはほぼ無いです。
バレなければいい、もしバレたら「運が悪かった」と、運のせいにして終わりです。
その後、同じ過ちを繰り返していきます。
運転中の速度に関しても同じことが言えます。
世の中の大半の人が、制限速度は守っていません。
40km/h道路を50km/hで走行しても、危険と感じていないからです。
50km/hで走行しても危険と感じない人は60、70と速度を増していくでしょう。
制限速度がなぜ定められていると思いますか?
その速度内であれば、万が一の場合でも人間の反応が間に合うからです。
そういった万が一の場合がまぁ滅多に起こらないから、危険への認識が薄れていってしまうんですよね。
リスク効用
リスク効用とは、リスクテイキングすることに価値を見出す性質のことです。
例えば、車1台で友だち数人と旅行に行ったとします。
一人のときは普通に運転してくれる人でも、友だちが一緒に乗っていたりすると旅行のテンションで少し無茶をしてしまったり。
ちょっと無茶をしたら友だちが盛り上がったから、それが嬉しくて調子に乗ってしまう。
運転以外の場面でも、こういうケースはよくありますよね。
「自分はこれだけ危ないことをやり切る度胸がある」などのある種の挑戦もそうですね。
決して自己満足のためだけではなく、承認欲求のあらわれであると思います。
また、SNSでいいね稼ぎのために迷惑行為をしてしまうのもこれに該当します。
ベネフィット
直訳すると利益なんて言いますが、リスクテイキングすることによる利益を求めているパターンです。
たとえば朝寝坊してしまった場合、時間に間に合わせるために車のスピードを上げてしまう。
本来止まるべきタイミングの信号の変わり目で、止まらずに行ってしまう。
普段の自分ならこんなことはしません。
その行為が「危ない」と知っているから。
しかし、「時間に間に合わせたい」というベネフィットが発生することで
自分の命≦間に合わせたい
という結果になってしまいます。
常日頃から自分の命に対して、ありがたみを感じながら生活していれば別です。
ほとんどの人は生きていることが当たり前になっており、明日が当たり前のように訪れると思っています。
当たり前にあるものだからこそ、その価値に気付くのは失ったあとなんですよね。
目先のベネフィットに釣られることなく冷静に判断して頂きたいと思います。
リスクホメオスタシス
ホメオスタシスとは、一定であろうとする性質(恒常性)を意味します。
つまり、リスクを一定にしようとしてしまう性質のことを
リスクホメオスタシス
と言ったりします。
詳しく説明していきます。
リスクの一定化
人はみんな、自分の中で危険の基準を決めていると思います。
要は、怖いと感じる基準ですね。
テーマパークの絶叫アトラクションが好きな人もいれば、苦手な人もいます。
苦手な人が絶叫アトラクションに乗りたがらないのは、怖いからですよね。
「怖い」と感じるってことは、命の危険があるかも。
だから、アトラクションに乗らない。
乗らないことによってリスクを回避しているわけです。
例えば、運転でも一緒です。
40km/h道路を100km/hで走行していたら、大半の人は怖いと感じるかと思います。
怖いと感じたら、速度を落としますよね。
どこまで落とすかはその人次第です。
そのとき落とした速度がその人にとっての危険の基準です。
逆に、40km/h道路を40km/hで走っていたらどうですか?
だいたい皆さん「遅い」と感じますよね。
遅いと感じるということは、その速度で余裕を持てているので安全であるはずなんですが!
遅いと感じたら、大抵速度上げてしまいますよね。
速ければ危険の基準まで速度を下げ、遅ければ危険の基準ギリギリまで速度を上げてしまう。
これがリスクの一定化です。
人は、安全だと分かっていても余裕があるとわざわざ危険に近づけてしまうんです。
リスク補償
リスク補償とは、安全対策が取られているのに、人間のリスク行動によって結局意味ないよね、ってやつです。
例えば最近、自動車の技術が飛躍的に進歩してきています。
- 衝突被害軽減ブレーキ
- 車線逸脱防止支援システム
- 追従型クルーズコントロール
非常に便利な機能ですよね。
これらの機能は、通常通りの運転にプラスして活用して頂ければとても安全な機能となります。
しかし人間は、こういった便利な機能を手にすると怠けるのです。
つまり世の中が便利になるほど、逆に人間が怠けていくので結局変わらないよねってのがリスク補償です。
これもリスクホメオスタシスの一例です。
まとめ
なぜ、人は危険を冒してしまうのか。
それは人間だからです。
人間の欲望が危険を冒す行動原理になっています。
- 手に入れたいから危険を冒す
- 怠けたいから危険を冒す
- 認められたいから危険を冒す
そして、これらの行為を危険と感じていないから。
危険の認識は人それぞれです。
しかし国が定めたルールがあるということは、ルールから逸脱したせいで事故やケガ・病気のリスクが高まっているのです。
自分には関係ないと思われる人も多いでしょう。
気付くのは時間の問題です。
運転をしている時間だけでも、理性を働かせてリスクを抑え込むように気を付けてみませんか?
この記事を読んで、一人でも多くの方に気付いて頂けたなら幸いです。
万が一交通事故を起こしてしまった場合、どのように立ち回ればいいか気になる方はこちらの記事を参考にしてください。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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