こんにちは、教官です。
2019年は高齢者の交通事故がニュースで大きく報道されています。
「また高齢者か…」
って皆さん思ったんじゃないでしょうか。
高齢者の交通事故は、年々増加傾向にあるのは事実です。
しかし、それは高齢者が年々増えているから。
高齢者の事故が目立つのは仕方が無いのかもしれません。
しかし、今の世の中では高齢者が事故を起こしやすいのも事実です。
交通事故を回避する一番の方法は、車の運転をやめること。
免許証の自主返納です。
最近、親御さんの運転を見たことはありますか?
「ちょっと危ないかも」
って思ったことはありませんか?
少しでも心当たりがあるのならすぐにでも免許返納を考えるべきです。
「まだ大丈夫」
「いずれは免許返納も考えている」
こう思っていらっしゃるご家庭は多く見受けられますが、その考えは危険です。
この記事では、高齢者がなぜ事故を起こしやすいのか、その特徴を解説するとともに免許返納の仕方やメリットについてもご紹介していきます。
高齢者が事故を起こす要因
長寿大国日本では少子高齢化が進み、年々高齢者の人口が増加傾向にあります。
高齢ドライバーの免許保有率は10年前と比べると約1.6倍にも増えているのです。
平成30年の交通事故件数が約43万件に対し、高齢者が起こした事故件数は約19万件。
4割強を占める割合となっています。
そんな高齢者事故の要因を以下にまとめます。
認知機能の低下
自動車の運転は、「認知→判断→操作」の連続です。
人やモノ、状況などを目で見るところから始まります。
目で見て認識することを【認知】と言ったりしますが、高齢者になるとそもそも認知ができていないケースが多々あります。
- 信号の見落とし
- 停止線の見落とし
- 歩行者等の見落とし
などなどどれも非常に危険な見落としを繰り返してしまうのです。
こんな運転をしていても事故が起きない場合もあります。
それは、知らないうちに周りのドライバーが回避してくれているから。
本人は間違ったことをしている認識が無いので、危険運転を毎日のように継続してしまうのです。
反応・運動機能の低下
人が危険を認識してブレーキを掛けるまでに約1秒の時間を要します。
「危ない!」→「アクセルを離す」→「ブレーキに右足を移動」→「ブレーキを踏む」
このような工程を約1秒で行っているのです。
しかし、この時間はあくまで通常運転時。
考え事をしていたり、よそ見をしているとこの時間はもっと長くなります。
しかし高齢者にもなってくると、危険を感じてからブレーキを踏むまでの時間が10代20代に比べて1.5倍~2倍程度遅くなる傾向があります。
年齢とともに徐々に身体機能が低下していくので、危険に対しての対応が遅れてしまうわけですね。
自動車は、たった40km/hの速度でも1秒間に11m進みます。
反応が1秒遅くなるだけで、これだけの距離を移動してしまうのだから事故につながるリスクが大きくなるのも頷けるでしょう。
視覚機能の低下
緑内障という病気をご存知ですか?
長い年月をかけて、だんだんと視野(見える範囲)が狭まっていく病気です。
40代から発症することが多く、その症状の進行は非常にゆっくりです。
ゆっくり過ぎるうえに両目とも症状が進行するのは稀なので、緑内障に気付くのは末期に差し掛かるころが多いと言われています。
また、見えない部分は目を動かして補填してしまうので気付きにくいのでしょう。
高齢者の多くは、自分が緑内障であるという自覚が無い人たちです。
知らず知らずのうちに、見える範囲が狭くなっているのですから運転においては死活問題と言っても過言ではないでしょう。
たまに、とんでもないタイミングで飛び出してくる高齢者を見かけることがありますよね?
「何考えているんだろう」
って思うかもしれませんが、見えていないっていうケースもあるので注意が必要です。
緑内障は、今の医療では一生治らない病気とも言われています。
一度狭まった視野を元に戻すことはできません。
しかし早期発見ができれば、一生現状維持にすることは可能です。
40代に差し掛かるころからは定期的に眼科検診を受けて、緑内障の進行を未然に防ぎましょう。
今までのツケ
これは私の持論です。
高齢者の多くは、
- 自分の運転が危なくなった
- 昔より反応が遅くなった
と思っていません。
つまり、若いころから続けてきた運転方法を高齢者になった今でもやってしまっているのです。
具体的には、
- 速度
- 右折のタイミング
- 信号で止まる判断
- 車線変更
などが当てハマります。
若い時は反射神経が良いので、無茶な運転をしても事故にならなかったこともあるでしょう。
しかし高齢者になって同じ運転をしていたら、事故のリスクは飛躍的に上がってしまうのではないかと思います。
「自分が高齢者になったから、落ち着いた運転をしよう」
そう思って、すぐに運転を直せる人はごく稀です。
長年の癖や習慣が染み付いていますので、高齢ドライバーの交通事故を防ぐには、若い時から安全運転を継続しておかなければならなかったのではないかと推測します。
免許返納の特典
さて、ここまで高齢者が事故を起こしてしまう要因について見てきました。
ここからは運転免許の自主返納について触れていきます。
「車が運転できないと生活が不便」
免許の返納に踏み出せない一番の理由がこれでしょう。
運転免許を返納した場合の特典がこちら。
- 代わりの身分証発行
- 公共交通機関等の割引制度
代わりの身分証発行
免許を返納する際に、希望者は手続きをすることで【運転経歴証明書】を発行してもらうことが出来ます。
この運転経歴証明書は、運転免許証の代わりになる公的な身分証明書として活用することができるので取得しておくことをオススメします。
ただし、運転免許の自主返納をした日から5年を経過してしまうと発行できなくなってしまいます。
後回しにせず、返納手続きと一緒に申請すると良いでしょう。
公共交通機関等の割引制度
地域によって特典はまちまちですが、タクシーやバス、電車といった交通機関に対する割引措置がある場合があります。
他にも、図のマークがある店舗や施設で【運転経歴証明書】を提示することで、さまざまな特典を受けられるなどの優遇措置があります。
東京都での特典の一例
- 引っ越し代金10%割引
- ホテルでのレストラン・バーラウンジ10%割引
- 銀行の定期預金金利上乗せ
- デパート等のクーポン券や無料配送
- ボーリング割引
- 温泉半額
他にもまだまだたくさんあります。
東京都だけでも100を超えるサービスを受けられるのです。
下記のURLから、各都道府県ごとに受けられるサービスを確認することが出来ます。
参考にしてみてください。
一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会
http://www.zensiren.or.jp/kourei/return/relist.html
免許返納の仕方
では、具体的な免許返納の仕方について見ていきましょう。
返納申請場所
各自治体の運転免許センターや警察署で返納することが出来ます。
持参物
- 運転免許証(有効期間内)
- 印鑑(自治体による)
料金
免許返納にかかる費用は、無料です。
合わせて運転経歴証明書を申請する場合には、
- 1,100円の発行手数料
- 証明写真
これらが必要となりますのでご注意ください。
代理人による免許返納は可能なの?
原則として本人が窓口へ足を運んで、免許返納を進めることが求められています。
やはり、免許本人の意思に基づいて進められる手続きですからね。
しかし、
- 本人が病気等の理由で入院している場合
- 申請時に電話等で本人の意思確認ができる場合
このような条件付きで代理人による運転免許の自主返納ができます。
代理人申請が出来ない場合
- 運転免許証を紛失している場合
- 運転免許証が汚損等により、内容の一部が判読できない場合
- 運転免許の一部取消し申請をする場合
- 運転免許証の有効期限が切れた場合
- 住所地が県外の場合
代理人となれる人の要件
- 親族
- 申請者本人が入院中の病院職員等
- 申請者本人が入所中の介護施設職員等
- 成年後見人等
代理人として免許返納を行う場合の持参物は、各自治体の警察ホームページを参考にしてください。
委任状や誓約書、住民票などが必要になってくる場合が多いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
運転免許の自主返納をする方は、年々増加しています。
自分の意思で返納する人もいれば、家族からの説得で返納する人もいます。
高齢者になって今さら自分の運転を変えることはなかなか難しいものですが、運転免許の自主返納をすることによって交通事故を起こすかもしれないという心配事からは解放されます。
高齢者による交通事故は社会問題にもなっています。
「今まで事故を起こしていないから自分のところは大丈夫」
そういう家庭こそ気を付けるべきなのです。
今まで事故を起こしてこなかったというのは、あまり関係ありません。
これから先に目を向けて家族で相談し、より良い選択をしてください。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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