追越し禁止場所を覚えたい人
追越し禁止場所を暗記したい。覚えやすい語呂合わせがあると助かります。
そんな悩みにお答えします。
この記事を書いているぼくは、現役の教習所教官です。
教習所の学科では、いろいろな語呂合わせを使って禁止場所を覚えさせたりしています。
しかし「単なる語呂合わせ」だと、役に立たないケースがあるんですよね。
「どの語呂合わせが、どの禁止場所のことを言っているかわからん!!」
そんな人もいたりするわけです。
ということでこの記事では、「あ、これは追い越し禁止場所の語呂合わせだな」ってすぐに理解できる語呂合わせをご紹介します。
きっとこの記事を読み終えるころには、追い越し禁止場所が頭から離れなくなることでしょう。
ちなみに教習所で教えている追い越し禁止場所の語呂合わせは「まさかトンネル、不幸なおっさん」が一般的です。
【プロ解説】追い越し禁止場所の覚え方【3度で覚える語呂合わせ】
まずは追い越し禁止場所を整理しておきましょう。
追い越し禁止場所は次の8ヶ所です。
- 追い越し禁止の標識がある場所
- 道路のまがりかど付近
- 上り坂の頂上付近
- こう配の急な下り坂
- 車両通行帯がないトンネル
- 踏切と、その手前から30m以内の場所
- 交差点と、その手前から30m以内の場所
- 横断歩道や自転車横断帯と、その手前から30m以内の場所
語呂合わせの良くない点は、単純に言葉だけで覚えようとするところ。
語呂合わせの文面にイメージを付けてあげると、より一層覚えやすくなるでしょう。
ということで、イメージしやすいように少し長めの語呂合わせがこちら。
まさか超下す不幸なおっさんトンネルで追い越し
多少の無理矢理感は大目に見ておいてください…。
イメージはこんな感じ。
超下しているんです…。
そりゃあ一刻も早くトイレに駆け込みたいでしょう。
だからといって追い越し禁止場所で追い越しちゃダメですよね。
語呂合わせを分解すると以下の通りです。
- ま…まがりかど
- さか…坂道
- 超…頂上付近
- 下す…下り坂
- 不…ふみきり
- 幸…交差点
- おっ…横断歩道
- さん…30m
- トンネルで
- 追い越し
あとは今日、寝る前に「まさか超下る不幸なおっさんトンネルで追い越し」を3回唱えて寝るだけ。
これでバッチリ覚えられるでしょう。
追い越し禁止場所で追い越しできる場合がある
- 交差点(優先道路の場合)
- トンネル(車両通行帯がある場合)
これらの場所においては、追い越し禁止場所であっても追い越しOKです。
交差点(優先道路を通行している場合)
自分が通行している道路が優先道路である場合には、交差点のなかや交差点の手前30m以内の場所であっても追い越しOKです。
優先道路であるかどうかの確認方法は以下の通り。
【優先道路の標識があること】
【交差点の中まで中央線が引いてあること】
トンネル(車両通行帯がある場合)
「車両通行帯がある」とは、片側2車線以上の道路であるということ。
つまり、
- トンネルの中が片側1車線の場合は追い越し禁止
- 片側が2車線以上ある場合は追い越しOK
となります。
ただし、トンネルの中が何車線であろうと駐停車することは禁止となっているので混同しないように気を付けておきましょう。
追い越しを禁止するシチュエーション
「追い越し禁止場所」ではないんだけど、追い越しをしてはいけない状況が5パターンあります。
- 二重追い越しになるとき
- 前の車が右折しようとしているとき
- 対向車を妨害するおそれがあるとき
- 追い越した車を妨害しないと戻れないとき
- 後ろの車が自分の車を追い越そうとしているとき
二重追い越しになるとき
二重追い越しとは、前の車が自動車を追い越そうとしているときに、自分が追い越しをしようとすることを言います。
「車?自動車?え?一緒じゃないの?」
一般的には同じ意味で使われていますが、道路交通法的には違う意味合いになるので、学科試験対策が必要な方はこの機会に覚えておきましょう。
車とは(車両とも言います)
- 自動車
- 軽車両
- 原動機付自転車
これらを総称して車と言います。
自動車の親カテゴリーが車ってことですね。
自動車とは
原付を除く、運転免許が必要な車のこと
トラック、バス、バイクやファミリーカーなど、教習所で取れる免許を使って運転する乗り物はすべて自動車のカテゴリーです。
前置きが長くなりましたが、二重追い越しの簡単な覚え方はこうです。
先頭が自動車なら二重追い越し!
自分の目の前の車両がなんであれ、先頭を走る車両が自動車であれば、それは二重追い越しとなります。
試験対策として覚えておきましょう。
前の車が右折しようとしているとき
前の車が右折しようとしているときに、右側から追い越すのはとてもキケン。
絶対にやめましょう。
ただ、左側から追い抜いていくのであれば問題ありません。
自分が右折するときも、後ろの車が追い抜きやすいように右側に寄ってあげると親切ですね。
対向車を妨害するおそれがあるとき
対向車が来ているのに追い越しをするのは、よく考えてから行いましょう。
対向車に以下の行動を取らせると、それは妨害行為にあたります。
- 対向車がブレーキを使う
- 対向車がアクセルを緩める
- 対向車がハンドルで急回避する
アクセルを緩めさせるだけでも妨害になっちゃうってあんまり意識している人はいないでしょうね。
対向車のスピードや距離を計算して、確実に邪魔にならないタイミングでないと追い越しはすべきではないということ。
今はドラレコもけっこう普及しているのですぐに通報されちゃいます。
追い越した車を妨害しないと戻れないとき
追い越したはいいものの、先が工事していたり混雑していて元の車線に無理矢理戻る車を見かけます。
こういった行為も危険なのでやらないようにしてくださいね。
後ろの車が自分の車を追い越そうとしているとき
後ろから自分を追い越そうとしている車がいる状況に気付いていない車両をみかけることがあります。
気付かずに車線変更したりしていると、後ろの車に迷惑をかけることとなり、最悪の場合あおり運転被害に発展することも…。
運転中に後ろの状況に意識を向けられている人はぶっちゃけ多くありません。
前だけでなく後ろの状況変化にも気を付けて運転するように意識してみましょう。
追い越し禁止に関係する事故・違反の罰則
ここでは追い越しにまつわる違反をしてしまったときに適用される罰則について詳しく見ていきましょう。
代表的な違反は次の3つです。
- 追い越し違反
- 速度超過
- 妨害運転
追い越し違反
追い越し禁止場所や追い越し禁止の場面で追い越しをしてしまった場合に適用される違反です。
違反点数 | 反則金額 |
---|---|
2点 | 大型等…12,000円 普通車…9,000円 バイク…7,000円 原付等…6,000円 |
違反点数6点から免許停止処分を受けるので、1発2点はまぁまぁ痛いですね。
反則金も1万円前後取られてしまうので痛い出費です。
速度超過
スピードの出しすぎで適用される違反です。
追い越しのときには、スピードを出し過ぎる傾向があるので気を付けたいところ。
速度 オーバー | 違反点数 | 反則金額 |
---|---|---|
15キロ未満 | 1点 | 大型等…12,000円 普通車…9,000円 バイク…7,000円 原付等…6,000円 |
15~20キロ未満 | 1点 | 大型等…15,000円 普通車…12,000円 バイク…9,000円 原付等…7,000円 |
20~25キロ未満 | 2点 | 大型等…20,000円 普通車…15,000円 バイク…12,000円 原付等…10,000円 |
25~30キロ未満 | 3点 | 大型等…25,000円 普通車…18,000円 バイク…15,000円 原付等…12,000円 |
30~50キロ未満 | 6点 | 刑事罰 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
50キロ以上 | 12点 | 刑事罰 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
高速道路の場合上記の表に加えてさらに細分化されています
速度 オーバー | 違反点数 | 反則金額 |
---|---|---|
30~35キロ未満 | 3点 | 大型等…30,000円 普通車…25,000円 バイク…20,000円 原付等…15,000円 |
35~40キロ未満 | 3点 | 大型等…40,000円 普通車…35,000円 バイク…30,000円 原付等…20,000円 |
40~50キロ未満 | 6点 | 刑事罰 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
50キロ以上 | 12点 | 刑事罰 6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 |
勘違いしないでいただきたいのが、高速道路で15キロ未満でも表通りに罰則規定があるのでご注意を。
妨害運転
俗に言う「あおり運転」です。
他車を妨害するような目的で追い越し違反をした場合、追い越し違反として処理されず、より厳罰な妨害運転として処理されます。
妨害運転 | 行政処分と刑事罰 | 欠格期間 |
---|---|---|
あおり運転をした場合 | 免許取消し 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 最短2年 |
危険が生じた場合 | 免許取消し 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 | 最短3年 |
ドラレコの普及により、今までは軽微な違反として扱われていた追い越し違反でも、他車が危険と感じそれを記録されていたら妨害運転に該当する場合があります。
ほかにもどのような運転が妨害運転(あおり運転)の対象となるかはこちらの記事を参考にしてください。
ちなみに、2020年現在ではサイレント取締り強化でかなり検挙率が上がっております。
一部ではコロナ給付金の税徴収とも言われていますが、確実に取締り強化はしています。
「まさか超下す不幸なおっさん、トンネルで追い越し」を唱えて、追い越し違反や妨害運転にならないように気を付けてくださいね。
というわけで以上です。
この記事があなたのお役に立てたなら幸いです。